
「んふふ…綺麗ー。こんな綺麗な指輪、生まれて初めてはめたな〜」
フリーケットを身体に巻き付け、ソファにもたれる友雅に寄り掛かり、自分の薬指を眺めてはうっとりとつぶやく。
アクセサリーはいくつか持っているけれど、指輪なんて今まではおもちゃみたいなものばかりで。
それこそ、もっと安いカラーストーンを使ったものや、スワロフスキーなどを使ったものがいくつかあるくらい。
「何か、ホンモノ!って感じの指輪ですもんねー」
「そりゃあね、名前の知られたブランド店だし。」
「うん。普通のお店のトルマリンリングとは、何か全然違う感じしますもんね…」
ごろんごろんと友雅の膝の上で、寝転がりながらあかねは自分の指を眺めた。
そう、ホンモノ。
内緒だけれどね……ホンモノだよ、何もかも。
指輪に彩られた左手に、友雅は自分の手を重ね、そして絡める。
なめらかな肌を抱き上げて、小さな輝きにもう一度口づけてから…あかねの唇にキスをして。
「あかね…本当はね…」
「……え?」
「いや、何でもないよ。本当はもっと…いいものがあったのだけど、あかねに似合う方が良いかと思って、これにしたんだよ。」
「全然十分ですよ、これ!これ以上なんて、とんでもない!それこそ受け取れませんから!いくら御祝いを兼ねてって言われたって、受け取りませんよ!」
「ふふ、良かった。受け取って貰えない方が辛いものね。」
そう言うと、あかねはニコッと一度微笑んだあと、腕を伸ばして友雅にぶらさがるように身体を寄せた。
キスのくりかえし。
そのうち、身体からフリーケットが剥がれ落ちて、白い背中が再び露わになる。
「大切にしますね…」
「そうしてくれると嬉しいね。」
「うん…」
あかねを抱き上げて、場所を移動する。
リビングのソファではもの足りないから、柔らかなベッドのある部屋へ。
「あ、旦那さんに抱っこされて、新居に入るような感じ」
ドアをくぐろうとしたとき、あかねがそんなことを言って笑った。
「良いんじゃないかい?指輪をエンゲージリングにして、本格的に真似事してみようじゃないか?」
「そっか。うふふ…じゃ、今夜は友雅さん、旦那様ね?」
「じゃ、あかねは花嫁だ。」
冗談を言いながら部屋に入って、そのまま---------新郎新婦になりきって、聖なる夜に愛を誓って。
でも。
ごめんね。
今はまだ、本当の気持ちを君に伝えるには、勇気と決心が足りないみたいだ。
ただ、それでも…これからもずっと、君と一緒にいたいことは嘘じゃない。
出来るだけ長く、こんな風に一緒に過ごせることが日常に続けば…と、いつだってそう思ってた。
もちろん、今、この時も。
ずっと一緒にいたいというのが、果たして、彼女が言っていた"プロポーズ"というものに通じる気持ちなのか…。
こんなに真剣になったのは初めてだから、恥ずかしながらよく分からないんだ。
一緒にいたいのは、君を愛したいことと同じだと思うけれど…。
何だろうね、考えがまとまらない。
どうすれば良いんだろう。
気持ちは…深まってゆく一方だというのに。
だから、もう少しだけ本心を問い詰めてみる。
そして答えが出たら……
その時、この指輪の本当の姿を教えてあげるよ。
今は…何も考えないで、その指に輝きをかざして……指輪ごと抱きしめさせてくれれば、それだけで良い。
Happy Merry Chrisrmas For you!!
----------------THE END
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