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恋歌綴り
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001 |
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何もかも、分からないことばかりだ。
疑問符が次から次へとあふれ出してくる。
おまえは何を考えているのだ。
私には、理解ができない。
理解する気持ちが、私の中には存在しない。
無の中に自分が存在していることしか、私は知らないで生きてきた。
目に見えないものを捕らえることはできても、
おまえの考えだけは捕らえられなかった。
黄金色の月が、夜の闇の中をすり抜けてゆく。
虫の声が聞こえる。
あえぎ狂う重苦しい声が耳に忍び込んでくる夜。
そんな夜でさえ、こうして私はおまえのことを思い出す。
おまえと日を過ごしたあとに、胸の中が熱くなるのはなぜだ。
暖かい感触が体をかけぬけてゆくのはなぜだ。
おまえに逢うと、必ずこうした夜がやってくる。
眠れない。
私には、おまえを理解する心がない。
おまえと同じ命を持っていない私には、多分無理なことなのだろう。
それでも、おまえに逢いたい。
おまえとともに、時を過ごしたい。
胸の中に生まれてくる、あの暖かさを感じたい。
その暖かさの原因は究明できなくてもかまわない。
おまえがそこにいれば、それだけでいい。
何もかもが、初めて知ることになる。
おまえに出会い、私の中で何かが変化を起こし始めている。
おまえに会えない日の、あの重い気はなぜなのか。
…おまえは、その理由を知っているのだろうか。
私一人では、その意味を見つけることができない。
おまえがそばにいてくれるのなら、私は何かを見つけることができるかもしれない。
知りたい。この暖かさの源を。
だから……私のそばにいてくれ。
-----THE END-----
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