恋歌綴り

 001
四季折々に、花は咲いてそして散りゆく。
その花びらの美しさと儚さは、強いていうなら人の歩む時の道のようだ。
熱い想いをこの胸に抱えて、人は情熱というものを何かに注ぎながら生きる。
しかしノノその情熱が花開くかなんてことは、誰も分からないのだよ。

細やかに辺りを見渡しながら、歩幅を狭くして歩くのは心地よいとは言えないね。
出来ることなら、思うままに楽に生きていきたいものだ。
誰を気にすることもなく、誰に気に止めてもらうわけでもなく。
寂しい人生と、誰かがつぶやく声が耳に入ることがたびたびあるが、
そんなことはどうでもいい。
組み紐で縛られるような生き方は、私好みではない。
目の前のことだけを瞳に映しながら、その日を生きていきたいと思うよ。

だけどね、そんな生活も最近は退屈に思える。
どうしてだろう。避けていたものが、どこか恋しく思えてきている。
誰かの存在を意識することや、燃えるような情熱のかたまり、遠い未来の想像。
全部今までは縁のなかったことたちばかりだ。
散り行く花びらの舞いよりも、花開くまえの朧色のつぼみを愛しく思う。
ノノ誰かが私の心の中に、入り込んできてしまったせいだね。

新しい日々を、待ち遠しくなる毎日が続く。
明日、きみはどんな言葉を口にするのだろうと、毎晩考えては笑みが浮かぶ。
いくつもの色を重ねてみるけれど、そのたびに新しい色が生まれてゆき、
その変化に私はいつも楽しませてもらっている。
きみは、不思議な人だね。

迷いながら、きみは前を見て足を進めて行く。
そんな姿を見ていると、もう少しわたしは歩幅を早めてみようかと思うのだ。
きみの前を歩き、そしてその手のひらを支えてあげたいと、考えたりしている。
いくつかの利益がきみにはあると思うが、どうかな?。

きみの知らない世界へ、連れていって差し上げられることもできる。
きみが見たことのない場所を、見せて差し上げることもできるよ。
そして、それが私にも有益な結果をもたらしてくれるのだ。
きみとともに、歩く未来の道を。

きみを守ってあげられることや、きみと笑顔を交わせることが
これからの私の未来になる。
きみに出会わなければ知らなかったことの代わりに、今度は私がきみに未来を
教えてあげよう。

散る花よりも、つぼみが開くときまでの時間の楽しさを
教えてくれた、わたしだけの姫君へ。





-----THE END-----



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Megumi,Ka

suga