秋染の風に吹かれて

 001
出会った頃のこと、覚えてる?

----わずかなことさえも忘れたりなどできません。

いつもあなたは、精神を張りつめてばっかりで、私、ちょっと近寄りがたかったんだ。

----そんなことを考えておられたとは今まで気付きませんでした。

でも、すぐにそんなことなくなった。
あなた、とても綺麗な目をしてたから、信じることが出来る人だって、そう思ったの。

-----私はあなたを裏切ることなど、一度も考えたことはありません。

だから、あなたのことを見つめることにしたの。

-----私をですか?

うん。あなたの透き通った瞳のようにね、心を透明にしてあなたを見ようと思った。

-----何か見えたでしょうか?

うん、大切な、とても綺麗なもの見つけたよ。

-----それはどんなものでしょう?

あなたが見つけてくれたものときっと同じものだよ。


***********

Megumi,Ka

suga