—蓮泉— 玉梓時子様(ときのたまご

蓮。天上を彩る花。

陽の光に煌く薄紅の花は、彼の人の髪の色。

幾重にも重なる風に揺れる葉は、彼の人の瞳の色。

光と風をその身に受けて、眩しいほどに清らかに生命を輝かせる。

蓮。聖なる花。
その姿は神に愛でられし聖なる斎姫に似て。

まっすぐに天に向けるその腕(かいな)で何を求める?

蓮よ。天上の花、聖なる花よ。
私の想いを彼の人に伝えよ。この心を。

お前の前ではこの世の富も、力も栄誉も全ては色褪せると。

この空(くう)なる心を満たすのは、その柔らかな微笑みだけなのだから。

文を贈ろう。この蓮を添えて————
お前のために。お前の心からの爽やかな笑顔を見るために。




(神子に文を送る?